★1

2/20
100人が本棚に入れています
本棚に追加
/160ページ
高校生になったから、寮生活ってものをしてみたいって両親に頼んでみました。 すると、最初は二人とも賛成できないって顔をして駄目かなって思った。 でも、とりあえず理由を聞いてみることにしたの。 そしたら‘奈帆はドジっ子だから、迷惑がかかってしまう’ってのが二人の理由だった。 私はとりあえず迷惑かけない事を約束して、念願の寮生活が出来るわけです。 「ここがくるみ寮ですね? やっぱり新しくて綺麗です。 入り口はどこかな」 奈帆は寮の周りを右往左往して、所謂迷子になっていた。 『早速迷子になってしまった! 迷惑をかけてしまいますぅー』 奈帆が寮の前でちょこまか動いて悩んでいると、奇麗な女の子がこちらに歩いてきた。 「もしかして、迷子?」 「はい? そのようです」 奈帆は美少女の方に元気よく返事を返すと、何故かジィーっと見られていた。 「ふぅーん? あんた可愛い顔してんね」 「へっ?! そんな事言われた事はないですが」 「着いておいで。 あんたもくるみ寮だろ」 「あ、あの? あなたは誰なんですか?」 「あんたの名前教えてくれたら応えてやるよ」 「私は、秋月 奈帆って名前ですけど…」 「藤澤 椿。 奈帆も今日から同じ寮だな」 「う、うん? 椿ちゃんって、かなりの美少女だね!」 「美少女? ふぅーん」 椿はそのように軽く受け流すと、寮の入り口へ奈帆も連れて行く。 「こっちだよ。 スリッパに履き替えてね」 「あ、はいっ 椿ちゃんもくるみ寮なんですか?」 「くるみ寮じゃなきゃ、連れて来れないけど?」 「そ、それもそっか」 奈帆がボケボケな質問をしていると、椿はフッと笑うとこう耳元で囁く。 「奈帆って、困った顔もいいね?」 「そんな事も言われたことがないんですが?」 「ふぅーん? 奈帆って男慣れしてない感じだな」 椿がフッと妖しく微笑みかけると、奈帆はかぁぁーっと顔を赤らめた。
/160ページ

最初のコメントを投稿しよう!