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あのあと、凰がの通りに答えたら正解だった。
マジ助かるッス凰さん。
「で、次はなんだっけ?」
次……? 次はな……。
「生物だッ!」
うやっほーう!! 生物ぶるぅぅぅぅぅぅああああああああああああ!!
きりっ。
「なんだコイツ、気持ち悪」
無駄にテンション高めで答えると、始からのキツイ返答。
「まぁ、始よりはキモくないと自覚してるけどな」
うん、始はとにかくキモイからな。
「あぁ、それは言えてる」
「ちょ!? 凰ちゃん酷!?」
いきなり話に入って来た凰に始はびっくりしてた。
コイツ喜ぶ時もあるのに……謎だわ。
「じゃ……この問題は……ん? じゃあ無駄に元気良く手を挙げてる神崎くん」
「無駄には余計でしょ先生!」
「はいはいごめんね。で、答えは?」
「原口背唇、つまりオーガナイザーを移植するとそこに二次胚が形成されます。つまりそれの働きで周囲の部分が特定の器官に分化される。オーガナイザーはそういう働きがあります。この様な働きを誘導といいます」
「はい、正解。やっぱ神崎くんは生物強いねー」
そう、おれは他の教科は全て赤点だが、生物だけは得意だ。
……あ、ゴメ。保健も得意。
まぁ、とにかく生物はかなり得意。
前九十九点取ったくらい得意。
これだけは始と凰に負けないぜ。どや!
「先生! 違います! 生物だけはの間違いですよ!」
後ろからムキになって叫ぶは始。
おれに負けてる教科があるのがよっぽど悔しいらしい。
だから、
「ふっ、でも生物だけはお前より強いぜ?」
鼻で笑ってからドヤ顔をしてみた。
やべぇ、気持ちぅえええええええ!!
「~~くそッ! なんで勝てねぇんだ!」
そしたら始は椅子を飛び降りて悔しそうに床を転げ回った。
え……何コイツ……怖。
当然先生が注意しようとしたその時、キーンコーンカーンコーン♪ と鐘がなる。
「あら……終わりね。始くん、今度やったら成績下げるからね~」
「え……マジかよ。こんなんで下げるとか異常だろ常考」
いや、下げないほうが異常だろ常考(常識的に考えて)。
「まぁいいじゃねーか。つーか、昼休みだぞ?」
「今まで空気だった癖に……糞凰が」
確かに空気だった凰が唐突に口を開き、始が悪態をつく。
凰は真面目ちゃんだから授業中はめったに喋らないので、空気と同化するのだ。
「おいおい、ひでーな」
そこで怒らないのが凰クオリティ。さすが主人公体質。
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