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@World Wander Witch
「大好きだったんだよ?」
少女は泣きながら呟く。
その腕の中に黒い頭蓋骨を抱いていた。
「この人ならアタシが子供だって分からないもん。だから、…だから好きになれた。それ以上に愛せた、……でも、」
涙が少女の頬を伝い頭蓋骨へと落ちる。
悲しみは止まらない。それだけ少女が愛していたのは明らかだった。
「でも駄目だったの、人を傷つけることしか出来ないアタシ達が、人を愛する事なんて所詮無理だったのよ、」
少女が、ニーナがずっと伏せていた顔を上げた。長い間泣いていたんだろう、目のまわりは赤くなっている。
「ねぇ、フェリーぺ。餓鬼のアンタにこの意味が分かる?」
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