【八和田 八郎 (やわた はちろう)】

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あたたかい… 厳しい冬の大名行列が通り過ぎた後、ようやく顔を上げ始める春の民達は陽気な姿を取り戻す 皆一様に顔を綻ばせ、まってましたとばかりに自分たちの仕事に意気揚々と取りかかった 花が咲き、鳥がさえずる それはとても心の安らぐ光景で、春の住人達の穏やかで優しい気性が伺える なかでも“小春んとこの日和ちゃん”は近くにいるだけでクラクラと意識を失いかけるくらい魅力的な僕達のマドンナ 嗚呼… そんな日和ちゃんは今僕の耳元で愛を囁いている その声色はポカポカとまるで子守唄を歌うようで、 いけないのに、ついつい眠ってしまいそうだ… 日和ちゃん…なんて罪な娘 「そうだな、授業放棄の罪で死刑だ」 !? シュ ゴキィィ!! 「――おぼふっっ!?」
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