4 約束

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匠が答えると、あたしは涙ぐみながら頭を横に振り、 「嘘だよ。ホントは仇なんてどうでもいい。美衣は助かったし、完治する。だから、だけど、匠。お願い。何処にも行かないで。あたしのそばにいて。日本を追放なんてこと、ないよね?闘わないよね?死んだりしないよね?もう誰も失いたくないの。そばにいて。ずっと、あたしのそばにいて!」 あたしは泣きながらそう言うと、突然匠はあたしの肩を引き寄せて唇を塞いだ。 あたしは驚きながらも、ゆっくりと目を閉じた。 温かい唇。 生きている。 そう感じるたびに安心する。 唇が離れると、匠は優しくあたしを抱きしめた。 「お前の、そばにいる」 * あたしは翌日の夜、サンセットに行った。 気持ちを整理するために。ヒロとの関係をハッキリさせるために。でもまた、ヒロに優しいことを言われたらグラついてしまう。 しっかりしろ、あたし! そう思いながらドアを開けようとすると、ちょうど美貴さんが出て来た。 「瑠生、さん?」 「美貴さん…」 美貴さんはあたしの腕を掴み、 「歩きながら、少し話せるかしら?」 と言うと、あたしは頷いて、二人で山下公園の方に向かって歩き始めた。
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