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「こういうのやりたかったの。でも、私とセタンタが結婚すれば毎日出来るよっ!」
「飛躍し過ぎじゃないか?」
「ん……っ。じゃぁ、聞いていい? 私の事どう思ってる?」
スプーンをテーブルに置くと姿勢を正すエレナ。
唯一、色褪せなかったエレナへの想い。
不安げに見つめるエレナだったが、それだけはいつも変わらなかったこと。
フリンは意を決すると、エレナを見つめ返し、口を開いた。
「お前が思い続けてくれたように、 俺もお前を忘れられなかった。こうやってまた逢えるなんて思わなかった」
「はぐらかさないでよ……。率直に言って!」
「俺はお前の事が好きだ。多分、これはまたエレナに恋をしている」
目を見開いたエレナは両手で顔を覆い、両肩を震わせ始める。
勢いよく両手を解くと天井を仰いだ後、真っ赤な目をしたままフリンに笑いかけてくれた。
「私、あの頃からずっと好きだったんだよ……っ?! 片想いがどれだけ辛いかわかる?!」
「すまない」
素直になれないのは、アテナばかりじゃなく、フリンもだった。
そんなところがアテナと似てしまったのかと思うと自然と頬が緩んでしまった。
「ほら、泣いてないで食べないと涙で塩っ気しか感じなくなるなるぞ」
「ごめん、そうだよねっ!」
涙を拭うと取り皿に料理を分けながら食べ始める。
そんな姿さえ愛しく感じる。
『恋』とは一種の病気のようなものだとフリンは理解したのだった。
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