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だが…すぐに応えることができない。
俺は、果たして彼女と釣り合うのだろうか…?
そんなことを、つい考えてしまうからだ。
命「…涼介、くん?」
涼介「…ん、あ…あぁ、えっと…」
命は、確実に俺の言葉を待っている。それに応えたいが…やはり、色んな思いが葛藤してしまい、うまく言葉に表せない。
俺も好きだ、と言えばいいというのに…。どうしても、言葉がつっかえる。
命「………」
命は真剣な眼差しで俺を見つめている。気恥ずかしいが、目を反らしては彼女の想いをはね除けることになりかねない。だから、俺も命を見つめる。
……言うんだ、言うんだよ俺っ…!
涼介「…あの、さ…」
命「…はい」
つっかえる言葉を、無理に絞りださなければ。そうじゃなければ…意味がないだろう?
涼介「…俺も好きだ、命。だから…付き合おう」
そう言って、命を抱きしめた。命は一瞬、驚いたように体を強張らせたが、すぐに緊張を解いて、応えてくれた。
命「…あ…ありがとう、ございます…」
涼介「こっちこそ…告白してくれて、ありがとな」
さらに強く抱きしめる。同じく、命も応えてくれる。
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