告白

30/31
3711人が本棚に入れています
本棚に追加
/430ページ
だが…すぐに応えることができない。 俺は、果たして彼女と釣り合うのだろうか…? そんなことを、つい考えてしまうからだ。 命「…涼介、くん?」 涼介「…ん、あ…あぁ、えっと…」 命は、確実に俺の言葉を待っている。それに応えたいが…やはり、色んな思いが葛藤してしまい、うまく言葉に表せない。 俺も好きだ、と言えばいいというのに…。どうしても、言葉がつっかえる。 命「………」 命は真剣な眼差しで俺を見つめている。気恥ずかしいが、目を反らしては彼女の想いをはね除けることになりかねない。だから、俺も命を見つめる。 ……言うんだ、言うんだよ俺っ…! 涼介「…あの、さ…」 命「…はい」 つっかえる言葉を、無理に絞りださなければ。そうじゃなければ…意味がないだろう? 涼介「…俺も好きだ、命。だから…付き合おう」 そう言って、命を抱きしめた。命は一瞬、驚いたように体を強張らせたが、すぐに緊張を解いて、応えてくれた。 命「…あ…ありがとう、ございます…」 涼介「こっちこそ…告白してくれて、ありがとな」 さらに強く抱きしめる。同じく、命も応えてくれる。
/430ページ

最初のコメントを投稿しよう!