大切な人

｢いってきまーす!!!｣

｢こら!!お弁当忘れてるでしょ!!｣

｢あﾞー💦忘れてた💦💦｣

樹一がいなくなって5年経った｡

今年で私は24歳になる｡

私には1人子どもがいる｡

樹一と私の子ども｡

―5年前―

私はまだ16歳だった｡

樹一の死から2週間経った｡

急な吐き気と微熱が続くので病院に行った｡

｢妊娠してますね｡おめでとうございます!!｣

と先生に言われた｡

｢産みますか?｣

と言われて私は悩むことなくすぐに答えた｡

｢産みます!!!｣

と……

子どもの名前は愛音｡

私に愛音ができた時エコーで赤ちゃんを見た｡

心臓の音が

―ﾄｸﾝ…ﾄｸﾝ…―

愛しい人の鼓動｡

その鼓動さえ愛しかった｡

私の愛しいとっても大切な

大切な赤ちゃん…