SHUHEI 拾壱

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もっと弄って虐めて、まだ彼氏じゃない癖にもう恋愛勝者気取りの遼先輩に仕返ししてやりたかった。 「なあ、あのキラキラ女と遼先輩お似合いだと思うか?今後付き合うかどうかは別として」 「相性は知らないけど絵的にはお似合いなんじゃない?小木原先輩なら背高くてスタイル良いし」 「ふーん」 「何?やっぱ小木原先輩あの子とそういう感じなの?」 「知らね」 限りなく恋人に近い恋人未満の関係なのは知ってるが、知らない振りしないと。 遼先輩に腹立たせられておいて、つくづく優しい俺様。 「てか柊平さあ、さおりちゃんと何かあんの?」 唐突に疑念の矛先を俺に向けた巧にドキッとした。 「ちょいちょいアイコンタクト取ってたでしょ。小木原先輩ん家での祝勝パーティーの時から何か雰囲気変わったよ、二人」 「……気のせいだろ」 「えー?そうは思えないけど」 確かにさおりとは度々目が合ったが、そもそも彩芽の誕生日だっていう日から1ヶ月振りに顔を合わせた。 俺とさおりの雰囲気が変わったなんて自覚は全く無い。 けど長年剣道やってる巧もまた洞察力が優れてるのは当然で、マイペースな性格だからって侮るべからずか。    
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