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婆は、毎年、丁度22:00頃に婆のもとへやってくる小鬼を待っていた。
今年で10年目になる。
婆は貧しい生活を切り詰めに切り詰め、一本の蝋燭がたったケーキを用意した。
婆がどのように生計をたてているかはおおいに疑問の残る所ではあるが、とにかく婆は、この一日のために、一年間節約に節約を重ねている。
婆は年期の入ったロッキングチェアに揺られ、さも普段通りに振る舞ってはいたが、汚いテーブルのようなもの(婆はテーブルとして使っている)にケーキが一つあるだけで、あばら屋には魔力、それもとびきりの魔力が満ちていた。
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