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空は暗くなりかけていた。
男は半目のまま起き上がり、時計に目をやった。
『……起きなきゃ。』
そう呟くが、瞼が落ちる。
暫くして、男の住んでいるアパートのドアが勢いよく叩かれた。
『おーい勇(いさむ)! お前また寝腐ってんだろ!? 開けろ開けろー! 酒持ってきたぞ』
勇と呼ばれた男は、面倒臭そうに立ち上がりドアを開けた。
『太一(たいち)か。……寝てた、上がって』
大きな欠伸をしながら、勇は太一を部屋へと招いた。
『じゃあ遠慮なく。』
太一は180cm・110Kgという巨漢である。
しかし顔だけを見ればスポーツマンの様な短髪の好青年。
だからこそミスマッチした体格がだらしなく見える。
太一はその巨漢を揺らしながら、部屋へ上がった。
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