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「俺と付き合って下さい!!」
俺はその子に軽く頭を下げながら手を差し出す。
「…ごめんなさい。…なんか違うんだよね…。イメージってか…ちょっと私の好みとは違って…。ごめんね。またライブ行くから。じゃあ!」
「えっ!?ちょ、ちょっと!!」
俺が頭を上げたときには既にその子は俺に背を向けて軽く小走りで去って行っていた。
「あっ…あぁ…。」
10戦10敗、10連敗…。
何で上手くいかないんだ。
彼女いない歴18年。
もうすぐ19年になりそうな俺の名前は瀬川瑛斗。
彼女いない歴=年齢
笑いたきゃ笑えよ!!
「真崎氏、また瀬川氏がフラれたでござるぞ。」
緑のチェック柄のジャケットで頭にバンダナを巻いてメガネを掛けてリュックを背負った奴が茂みから出て来た。
「葉山氏、これで瀬川氏は10連敗ですな。」
ついでに赤のチェック柄で頭にバンダナを巻いて双眼鏡を持ちながらリュックを背負った奴も出てきた。
瑛「うるせぇー!!」
「真崎氏、お決まりのキレ芸ですぞ。」
瑛「うるせぇ!!何だその格好は!!」
「見ての通りヲタクでござる。」
「お決まりの変装尾行でござるよ。」
2人が出て来て俺の前に立つ。
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