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何を考えているのか分からないような顔でニヤニヤ笑いながら猿飛くんが将彦くんを見ている。正直、生徒会の中で一番性格が歪んでいるのは彼だと思う。
「景くんはー、君にとっての何?大事な大事なお友達のそばにはいないでなんで景くんに付いてきたのかな?」
「それ、は、」
「あの場にいるのは嫌だったから?」
「そうだ。」
「なんで嫌だったの?大好きなお友達の大娯くんがいるのにぃ。」
言葉に詰まってしまった将彦くんの目が泳いでる。確かになぜあのときその場に残らず僕についてきたのかは気になる。が、将彦くんはわからないというように渋い顔している。分からないなら本当に分かってないのであろう。それに、ついてきた理由についてなら猿飛くんにも聞いてみたい。僕は助け舟を出すつもりでそっと口を開いた。
「その場のノリでいいんじゃないですか?猿飛くん、君はどうして僕についてきたんです?それに今日の君の言動も不思議です。僕の記憶が正しければ昨日までは皆元くんが大好きで生徒会役員にもかかわらず、皆元くんを構い倒して職務怠慢で風紀から毛嫌いされてて下半身ゆるゆるで一日一回は親衛隊の誰かを所かまわずハメるような人で、僕のこと嫌いでしたよね?どのような心境の変化ですか?」
「ちょっと待って景くん、最後の方ほとんど僕の悪口だよね。」
「いえ、まったく。少し自分の友達が虐められていたのでイラついたとかではないです。絶対に。」
「嘘だ、絶対嘘だ。」
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