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「なかなかこうして逢えなくて、僕は寂しかったんだけどなぁ。」
悪戯に笑ってそう言うと、複雑そうに眉をしかめる桜さん。
そして合わせていた視線を外して、小さく呟いた。
「・・・わ・・・私のほうが寂しかったもん・・・。」
駄目だ。
どうしようもない。
「・・・きっと同じだよ。」
愛おしくて たまらない。
神様 神様。
聴こえるならばどうか答えて。
走れば追い付きますか?
手を伸ばせば掴めますか?
そんな奇跡は
在りますか・・・?
この苦しみは、乗り越えたその瞬間にひとしおの幸せに姿を変える。
だから信じたい。
「―――――・・・一緒に頑張ろうね。お腹の子供に、逢えるように。」
「うん。」
僕はここに居るよ。
ずっと君を愛してる。
独占欲の強い、心配性のお姫様。
全部、全部・・・受け止めさせて。
弱さも黒さも、どんな君でもいいよ。
そんな君と、
僕は待っていたいんだ。
僕らの天使に逢えるその日を。
「――――――っ離して!!もう嫌なの!!!」
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