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気付けばルイは僕の隣にいなかった
それを持っている主人の腕を押さえつけ、僕にむかってなにか必死に叫んでいた
僕は走っていた
時々、何発か銃声も聞こえたけれど何故か足が止まらなかった
走って走って走って
何かから逃げるように走った
いつの間にか降っていた雨
それがやけに痛く、冷たく感じた
《キキッ──…ドン─…》
身体に鈍い衝撃
冷たい地面
ドロドロとした赤いそれが雨に濡れて地面に広がる
視界までもが赤く染まり
やがて赤黒く………黒く…黒く…真っ黒に染まっていった──…
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