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まずはポテトサラダを一口。
次は、グラタン。
その次は、ハンバーグ。
最初は渋々食べていた神奈だったが、だんだんとそのスピードが増していく。
クレープを4つ食べてから大した時間は経過していないはずなのに、なぜか手が止まらない。
そんなに空腹だったのだろうか。
いや、そんなはずはない。
不思議に思いながらも、体は飢えた子どものように、次から次へと食べ物をのみ込んでいった。
食べている、という感覚はない。
むしろ"体内に取り込んでいる"という感じだ。
とても妙な感覚。
でも、どこか懐かしい感覚でもあった。
母親は、そんな神奈の姿を凝視して険しい表情を浮かべている。
その様子に留意することなく、神奈はただただ食べ続けた。
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