第三章「異形への誘い」

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海が見えてきた。 しばらく歩くと海に到着する。 二人は急ぐことなく、会話を楽しみながら足を動かした。 「私はラッパを吹くのが得意なんですよ」 「え? トランペットですか?」 春江は驚きの声を上げた。 「多分それですね」 「仁木さんも音楽を?」 「いえ、軍隊で部下に指示するためにラッパを鳴らすんですよ。それで練習したわけですが、何か……楽しくなりましてね、部下に隠れてこっそり練習をしていたんですよね」
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