第一章 2.夏夜

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意識を戻す。 サラウンドで響く蝉の大合唱を聞きながら、星野橋を渡り、永野川を越える。 谷倉山の先に広がる青空に、積乱雲がゆったりと流れていた。 Yシャツが汗で張り付くのを振り切るように、ペダルに力を込める。 星宮神宮という小さな神社の前を通り過ぎると、すぐさま和泉家に到着する。
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