殺意の霧

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 俺はその日、部活を終えて、帰路である林道を一人で歩いていた。  最近は自主的に練習量を増やしているから、部活の友人達は先に帰っている。  自分で練習量を増やしてしまったおかげでもう周りは暗く、三日月と星が黒い夜空を青く照らしている。  大小様々な木々の並木道だが、その月明かりは足元の安全を見極めるのも容易な程だ。  ──その日もいつも通り家に帰る筈だった。  いつもよりも、気分が沈んでいた。  いくら練習を増やしても少しもいい記録が出ない。  それどころか日に日にタイムは落ちている。  もともとストレスを溜めるタイプでもないし最近はその原因も見当たらない、きっと疲れが溜まってるのだろう。練習のし過ぎも良くないと、弟が言っていた。  ……そうでも考えないと自暴自棄になりそうだった。
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