Chapter9 ほろぶもの(後編)

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物音を立てないように管理人室を出る。 足元を照らすと、管理人室の血のラインが廊下に続いているのが分かった。 ラインは建物の入口へ続いている。 管理人室から人が引き摺られた跡だろうか。 死体を建物の外に運び出すために引き摺った跡なのかもしれない。 私は廊下の中央部分にある二階へ登る階段へ進んだ。 さっき物音を立てた者に気づかれないようにゆっくりと登る。 階段にも血痕が見える。 中段部分には大量の血が流れた跡があった。 それが意味するもの。 逃げようとする者を階段で捕らえ……。 嫌な光景が頭に浮かんでしまう。 血痕を踏みながら階段を登る。 ゆっくりと音を立てないように一段、また一段と登ってゆく。 二階に上がると、階段脇に使われていない消火器が置いてあった。 二階の廊下に人がいる気配はない。
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