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「何が気に入らんて、夏弥が響ネタの挑発に乗ったっちゅーとこや。あの双子ほんまウザイ。」
「那智、キャラ忘れ過ぎ。」
男の嫉妬はアホらしいってつくづく思う。
客観的だと尚更。
そんで、そんなことわかってんのにまたくだんないことで苛立って、八つ当たりして・・・
「あーもうおもんない!俺が話題に入ってへんこの状況もおもんない!!ちゅーか双子のせいで余計夏弥は響響てうるさいし!!なんやねん!!」
キャラを忘れる。
―ボソ・・
「・・・元から眼中ねぇだろ。」
と、呟けば那智がすかさず睨み付けてきた。
「そもそも響がこんな時にヒメと喧嘩してるのも有り得へんよなぁ?」
「はい?」
・・・ほら、八つ当たり。
「双子がヒメに近付けるチャンスかて響が掴ませたようなもんやし?モモちゃんの仕掛けはヒメの指示として周りは思うんやから、あの双子選出したんはヒメやって叩かれるやろし?そんな時に彼氏とはくだらんことで喧嘩なるし?」
「・・・何が言いたいんだよシスコン。」
「双子妹の思う壺やな。ヒメ恨んでて響を狙ってんやし。美優先輩を連れ戻すためにまずはヒメ潰しやろ?」
「・・・そんな深く考えてんのかね。」
「鷹乃宮の分校で副会長やぞ。ガキや思て気ぃ緩めとったらアカン。」
「・・・。」
・・・そもそも、その分校の天宮の存在自体知らなかったし。
「あっれー?センセーじゃん!」
「は?」
那智にくどくど言われる俺に、一気に視線を向けさせる一声。
俺の存在に気付いた琶月は、なんの躊躇もなく近寄り笑顔を見せた。
「中等部に何か用?もしかして柚月に会いにきたの?」
「はぁ?」
笑顔のまま俺の腕を掴む。
周りの連中は琶月の台詞に首を傾げる。
そらそうだ。
俺と柚月になんの関係性が見えるっつー話。
が、琶月は構わず続ける。
「とぼけないでよ。最近放課後はずっと柚月と会ってるんでしょう?
・・・・・・・・・・
柚月の部屋で二人きりで居るの、知ってるんだから。」
「な・・っ」
ワザとらしく言葉を強調しながら、俺に対し得意気に笑ってみせた。
俺は思わず眉をしかめる。
周りの連中も聞き捨てならない台詞にザワつき出す。
"ヒメギミ以外の女性と密会"
そう聞こえたに違いないから。
・・・つか・・・
まぁ実際そうっちゃそうだけど。
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