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『…拙者からの報告は、以上だ』
重々しい口調でモニター越しに告げられた言葉に、一同は緊迫した面持ちであった。
最初に口を開いたのは、鋭い目つきで表情を表に出さない、どこか取っ付きにくい印象を受ける青年、アークライト=ラージスだ。
「…最悪のタイミングだな。ゼノンの調整が終わっていない、この段階で行動に移すか…!」
普段の彼からは想像が付かないほどに、感情を顕にしている。その尋常ではない雰囲気に気圧されることなく言葉を続けるのは、同じように表情を押し殺しながらも、その内に秘めたる闘争心を気迫という形で纏う女性、ティアラ=ウィリアムだ。
「それだけ追い込まれている、とも解釈できるな…ここは打って出るべきと考えるが、どうか?」
周囲を見渡しながら告げられた言葉に、真っ先に反応したのはキッチリと整えた身なりの青髪の少年、神条正人(しんじょう まさと)である。
「それが命を守ることに繋がるなら、躊躇う理由は無いよ」
「アンタはいつもそればっかねぇ…異論は無いけどさ」
生真面目な返答にため息混じりに言葉を被せたのは、正人とは対照的にやや着崩した印象のある作業服姿の少女、レオナ=ラージスだ。呆れたような様子だが、根本的には同意見であるのは間違いない。
それは苦言を呈したアークライトも同様だ。
「…可能な限り、ゼノンの調整は急ぐしかないな。どの道、見過ごすわけにはいかないだろう?」
その視線は中央に座る、その部屋の主へと向けられた。
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