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あたしの仮面には皆が微笑み返してくれる。
次第にそこから快感に似たようなものを感じるようになり、あたしが仮面を付ける時間は少しずつ延びていった。
中学でも成績優秀でスポーツもそこそこできたあたしは、仮面さえ付けていれば周りに自然と友達が集まってきた。
―ねぇ、明日一緒に遊ばへん?
―あのさ、一緒にお昼食べに行かん?
―この問題、どうやればいいん?
皆、あたしの美貌にすがっとるんかほんまに仲良くなりたいんか分からんかった。
そしていつしか、あたしは仮面を外すことに恐怖を感じるようになってしもた。
放課後には、よく男子に告られることがあった。
―その太陽のような笑顔に一目惚れしました。僕と付き合って下さい!!
でも、あたしには良く性格も知らん人と恋人同士になろうとする気持ちが理解できへん。
仮面を使って丁寧に断れば、恨みを買うことも無かった。
笑顔は、あたしの最大の防具。
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