【28】終焉の時

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~ナスカ・ペレ遺跡~ レムは、二人のすぐそこまで迫っていた。 足の激痛も、もうどうでもよかった。 小田は、少し前から呼吸を止めていた。 冷たくなったばかりの小田の体を、抱き締めるメイ。 そして、安らかな顔で眠る唇に、キスをした。 「(かえで)さん・・・怒らないでね。私もこの人が好きなの。あなたと会うまでの間は、一緒にいさせてね」 孤独だった孤児院時代。 ぐれて喧嘩ばかりの少女。 ラブと出会った運命の日。 ラブと生きた数年間。 そして、母との再会。 いろいろな想い出が、胸の中にあたたかく思い出された。 「ラブ・・・もう一度、あなたの笑顔が見たかった・・・。お母さん。今から・・・帰るね」 その数秒後、ナスカの大地に、光の矢が降り立ち、全てのものが、消えた。 ~ヴァロンの要塞~ 沈み込んでいる余裕はなかった。 アイの声が無常に響く。 「T2、ヴェロニカ様、あと5分後に、次のビームが発射されてしまいます。何とか阻止してください」 ラブの体をそっと横たえ、急いで制御パネルに向かう。 「何とかって言ってもなぁ・・・」 HEAVENの作った制御プログラムを必死で探るT2。 「あと、3分です」 「急かすなって❗️」 何とか、入り口に辿り着いた。 「問題は、これだ・・・」 パネルに、解除コードの入力画面が現れた。
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