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それから、しばらくして陽明の合格発表の日がやってきた。
「ほら、あき行くよ?」
「……」
「もうーあき」
「何騒いでるんだ?」
「あ、真田先生。あきが合格発表見に行きたがらなくて……」
「陽明、妹に見て来て貰うか?」
「私は、それでもいいよ?ただ、外部から来た人に馬鹿にされちゃうよ?"唯月陽明は双子の妹に見てもらってた"てなるよ?」
「自分で見てくるからいい……」
渋々だが合格発表を見に行く陽明。
そして陽明が、行くのを見届けたあと、はるかは独り言のように呟く。
「ホント、小心者の癖にプライドだけは人一倍あるんだから……」
この事を、兄の鷹大に話しをすると―。
「あははっあきは小心者だなあ」
「もう、笑い事じゃないよ!!」
鷹大は、豪快に笑い飛ばしていた。
はるかは、軽くため息をつく。
それからしばらくして、はるかの高校受験の日がやってきた。
「じゃあ、行ってきます」
「もう行くのか?」
「うん。電車こむと座れないし」
――ピンポーン――
インターフォンが、鳴ったので玄関へ向かうはるか。
「あっあすかだ。じゃあ」
「おはようはるかちゃん」
「あすか、おはよう。お前も頑張れよ?」
「鷹兄は、心配症だね?僕もはるかちゃんも受かるてば……」
「だよね~?あっあすか!はいあすかの分のお弁当!そろそろ行こうか?」
「うん」
高校につくと、既に何人かは来ていた。
試験が始まるまではるかたちはお互いに問題を出し合って、最終確認をしていた。
そして、午前中の試験は終わり、中庭で昼食をとっていると………。
「ね、はるかちゃん。あれ……」
あすかが指さす方向から、ホストぽい男性が走ってくる。
「――…」
「あすか、いい?あの男は他人!赤の他人!いい?」
「わかった」
「は~るか」
「……」
「ちょっ何で!無視!?」
「私の兄にホストなんていません」
はるかがそう言うと、もう1人やってくる。
「ほらー鷹。はるかちゃんに嫌われる前に行くぞ?」
「こ、こら和!離せよ!!」
そう言って和樹は、鷹大を引っ張っていく。
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