其の十一

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はらはらと降り続ける雪は、まだ積もるほどではない。 四人並んで雪を見上げていた。 「そういえば、怪我はもう大丈夫なのか?」 「えっ?!」 永倉に聞かれ、動揺してしまう。 永倉の向こうから、心配そうな原田の視線が向けられていた。 「あ、ああ。怪我、ね。 うん。もーだいじょーぶ!」 背中の傷は、言葉通り治っている。 「傷は?」 ボソリと原田が呟いた。 「傷? 怪我って、そんな酷いものなのか?」 「い、いや………」 「怪我したとしか聞かされてないんだ。 大丈夫だったのか?」 永倉は、本当になにも知らされていないのだろう。 雪緒の胸が、チクンと痛んだ。 永倉も藤堂も、普段から原田ととても仲が良い。 それは、新撰組となるよりすっと前、江戸で近藤の道場に居たころからの付き合いからだろう。 そんな永倉にさえ、何も言っていない原田。 普段の原田と、新撰組の一組長としての原田の違いを感じた。
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