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火の国の将軍であり
国王兄弟の幼馴染みでもある紫毅潤は、ここ数日消えることのない頭痛に顔をしかめた
つきん、と痛むこめかみを
揉みほぐすように押さえる
頭痛の原因はわかっている
国王の命が狙われ(あろうことか、自分に成りすまされ)
その弟も襲撃された
しかも、城の殆どを欺き
何一つ手がかりを残さずに
かろうじて救いであるのは
アオが桁違いの強さで傷一つおっていないことと、コウやじいのお陰で城内の混乱を最小限に留められていることぐらいだ
――王の暗殺――
それが意味することは一つ
数ある罪状のなかでも
限りなく最悪に近い罪
誰かが『謀反』を企んでいるということ
、
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