ミズチ

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ミズチ

生まれた時から運命は決まっていて、そしてその運命は絶対に覆ることがなかったとして、そうだとするならば、僕はここで諦めてもいいのではないか、なんてことを考えてみた。 だってそうだろう? そういう運命になる運命だったってことじゃないか。 もちろん誰も運命は決まっているなんて言ってないのだけれど。 あくまでも仮にの話だ。 そう仮定すると、僕個人には、なんの責任もないわけで、それでもって誰にも責められる言われもない。 だからいいじゃないか、ここで諦めたって。 ここで僕は何もせずにただ膝を地面に付け、そのまま数秒間待っていればいいだけ。 ただそれだけ。 それだけで全ては終わる。 それだけでこの子は__大海 円は、僕を殺せる。
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