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「……きろ……」
なんだよ…安眠の邪魔をするなよな…
夢の中で呟いていると
「起きろと言っている!」
「ふぎゃあぁぁ!な、な、何事だ!」
突然の大声にさすがに夢の世界から起きざるを得なくなる。
「ようやく起きたかゴミクズめ。いったい何時だと思っている!」
俺を怒鳴りつけているのは、整った顔、艶のある腰まで伸びた黒髪を携えた少女だ。
「知らん寝る…」
辺りを見渡すとまだ真っ暗だったことから夜中だと推測した俺はとりあえず寝ることにした。
「寝るな!起きろ!起きて飯を作れ!すぐにだぞ!」
少女は布団をはぎ取ると再び耳元で叫んだ。
「うるさい。近所迷惑だ」
「貴様が飯を作れば近所迷惑にはならないんだ。だから、光速よりもはやく作れ」
「無理だ。てか、冷蔵庫にあるものを適当に食べてればいいだろ」
安眠を妨げられイライラしていた俺は不機嫌そうにそう言った。すると、なんとまあ驚くべき答えが返ってきた。
「冷蔵庫に無いから言ってるのだ!」
少女はまたしても耳元で叫んだ。
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