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俺たちの時間が、同時に止まってから約1年。
もうすぐ二十歳を迎える俺たちは当時以上にぎくしゃくしていた。
ぎくしゃくというか、あまり喋らなくなったし裕翔も俺を頼ってこなくなった。
「あれ、?靴下がない」
「あ、ここにありますよ」
「ありがと」
「いえ…」
裕翔は会社の次期社長としてそれなりに多忙な毎日を日々過ごしている。
「あ、優馬だ!」
「おはよう、裕翔」
俺もそれなりに充実した日々を送るつもりだったのに、突然現れたこいつ…
中山優馬。
裕翔の会社の取り引き相手の子供。
またこれが厄介で、優馬は裕翔のことが好き。
そののせいでまた裕翔との距離が開いた気がする。
「おはよっ」
「執事さんも、おはようございます」
「おはようございます、優馬さん」
だけどなぜか憎めないんだよな、こいつのこと。
よく笑うし、明るいし、俺にも気を遣ってくれる…。
裕翔には、お似合いなのかも…
って最近よく思うようになった。
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