69150人が本棚に入れています
本棚に追加
/989ページ
上司の前でプライベートな話を聞かれただけでも気まずいのに、相手は私のせいで帰ることもできずに不機嫌度MAX。
ドキドキどころじゃなく、不安で心臓がよりいっそう騒ぎ出す。
あぁ、誰かこの時間から明日の朝まで私をワープさせてくださいっ。
目を閉じて、開けたら自分のベッドの中だった……とか。
脳内で現実逃避を繰り広げていると、ふいに目の前に課長の手が現れて、私の鼻をぎゅっと摘んだ。
い、痛い。
これはさっさと電話を切れという無言の抗議に違いない。
「わ、分かりました。詳細はメールで送ってください。もう家に着きましたので」
早口で捲くし立てると、私の切りたいオーラが伝わったのか、本宮さんが軽く溜息を吐いた。
最初のコメントを投稿しよう!