送り狼?

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上司の前でプライベートな話を聞かれただけでも気まずいのに、相手は私のせいで帰ることもできずに不機嫌度MAX。 ドキドキどころじゃなく、不安で心臓がよりいっそう騒ぎ出す。 あぁ、誰かこの時間から明日の朝まで私をワープさせてくださいっ。 目を閉じて、開けたら自分のベッドの中だった……とか。 脳内で現実逃避を繰り広げていると、ふいに目の前に課長の手が現れて、私の鼻をぎゅっと摘んだ。 い、痛い。 これはさっさと電話を切れという無言の抗議に違いない。 「わ、分かりました。詳細はメールで送ってください。もう家に着きましたので」 早口で捲くし立てると、私の切りたいオーラが伝わったのか、本宮さんが軽く溜息を吐いた。
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