4、母と子

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「何と言おうが、あれは祖父から譲り受けた私の刀。私の所有物ですよ。」 重々しい雰囲気になりつつあった4人に月姫が声をかけた。 結局、刀を返してもらうためには丞にはなしかけなければならない。 ならば、今話してもあまり変わりはしないのだ。 だから。 月姫は観念して、永倉の部屋から出てきたのだ。 「刀、返していただけるんですよね?」 月姫は丞に聞いた。 丞にたいしてのはじめての敬語で。 丞はその話し方に悲しそうにかすかにだが瞳をゆらした。 「………あぁ。けど、今はダメや。とりあえず、土方はんのとこに行きぃ。」 丞は言う。 月姫は少し不服そうな顔をし、丞を見たが仕方なさそうに土方の部屋に向かおうとした。 「つ、月ちゃん!」 土方の部屋に向かおうとした月姫に守が声をかけた。 月姫は立ち止まる。 だが、守をみようとはしなかった。 「あ、えっと………ご飯、食べとらへんよね?ずっと食べに来とらへんかったから…大丈夫なんか?」 守は心配そうに月姫に聞いた。 それに月姫は目を丸くして、つい守を見てしまった。 自分のことを気にするのはまだ分かる。 だが。 泣かされたあとなのに、心配をするとは思わなかった。
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