1年後…

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「…まさか父さんの本があんなに売れるなんてね…」 「まぁ良かったじゃないか。結果こうして神社も繁盛している訳だし」 お守りを買う為に列を成している女の子達を見て微笑む銀。 釣られて柚子も微笑んだ。 「いつの間にか“恋愛成就”の神社になってるもんね」 「実際俺達は龍神様のお陰で夫婦となれたんだ。間違いではないだろう?」 「…そうだね」 肩に腕を回され、そのまま銀の胸へと引き寄せられる。 柚子は抵抗する事なく彼の胸へと寄りかかった。 「…来年辺りには父さん隠居するって言ってたよ」 「俺が神主になるのか?まだ心の準備が…」 「次期龍神様が何弱気な事言ってるの?」 クスクスと笑う柚子に、銀も微笑む。 「銀なら大丈夫だよ。…これからもよろしくね」 「あぁ…。こちらこそ」 2人はどちらからでもなく顔を近づけ、周囲から見えないように口付けをした。 銀の昇神試験は一旦終了した。 しかし、これから2人には数々の難題が押し寄せるだろう。 その難題を乗り越えてこそ、銀は完全な龍神になる事が出来る。 人間としての生を終えた2人が、神界で龍として生きて行くのは、 また別のお話―――…。  
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