はなし 1こめ

2/2
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/124ページ
 どーにも。こーにも。 「そんなんだから彼女が出来ずに綺麗――薄汚い貞操守って十七年も生きているんだと思いますけど。一人寂しく夜過ごすのが多すぎてとうとう幻想のなかでしか対戦相手を見出だせなくなってきたりするの? それとも二次元? やだぁ。私みたいな女の子に手ぇだすと今のご時世だからいろいろと危ないらしいねぇ。私からしたらとんだいい迷惑だと思っちゃったり。だって、ここにも見えないイジメが発生してるんでしょ。そこら辺どーなのよ。こんな私でも『おにぃーちゃん』の一言で妹萌えヲタ共をほとんど味方に付けれるってどーなのよ」  と俺の先輩は矢継ぎ早に言い切りました。  とんでもない人である。自分の思いついたことをただ並べ立てるだけなので比べようがないが、そこら辺の名門大学卒の一端アナウンサーより凄いんじゃないかと思う時がある。  いや、アナウンサーの世界なんて知らないから確かじゃないけど。勝手な妄想だけど。  で、結局どっちが食べたいんですか? 「チーズケーキ」  最初からそう言って下さい。 「そうか!」  おいおい。 「ありがとう。おにぃちゃん? やばいです。自分で言ってなんだけど気持ちいいかも……」  今日も悪い天気です。
/124ページ

最初のコメントを投稿しよう!