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「はっ!?」
急に体が離れる。
「わっ…悪い…。
っていうかお前……」
「…何で謝るの?
私を買ったんでしょ?
あっ雇ったのか。
でも…こんなキスが良いなって理想は消えたけど…」
私は笑顔を見せた。
「どんなキスが理想だった?」
「もう良いよ」
小さく笑って目を反らした。
「良いから言えよ。
俺がその理想を壊したんだから」
「そうだなぁ…。
雰囲気が良い場所で、綺麗な夜景を見ながらロマンチックなキス…かな…」
言ってて恥ずかしい。
「今日の外食は中止だ」
えっ?
「ルームサービスで我慢しろ」
「ルームサービスなんてあるの!?
本当にホテルみたい」
彼は立ち上がり、電話で“いつものを今日は2人分”と注文して、それが終わると名刺をまた捨て、私の手帳をぐしゃりと破いた。
「ねぇ…名前教えてよ…」
「何で?」
「名前で呼びたいから…」
ちょっと照れ臭い。
「ケイ」
「えっ?」
「ケイで良い」
「それ本名?」
「違うけどケイで良い」
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