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「ねぇ!!
どこの店?
ちょっと話しない?
少しで良いから」
顔の前で両手を合わせて私の行く手を阻む、黒服のキャバの勧誘。
5メートル歩けば違うスカウトがまた声をかけてくる。
「名刺…」
「えっ?」
「今忙しいから気が向いたら電話する」
私は手をヒラヒラさせて名刺を要求した。
「はい。
給料は今の店の倍出しても良いから、考えてみて!!」
男は飛びっきりの作り笑いで名刺を渡してくる。
「うん…わかった。
じゃあね」
こんなやり取りを何度も何度も繰り返し、夜の繁華街を出た。
華やかなようで…どこか寂しく黒い欲望が渦巻く汚い街。
…そんな印象。
私は足早に近くのコンビニに立ち寄る。
「いらっしゃいませ!!」
ここだけが別世界のよう…。
ピッ!!
「シールでよろしいですか?」
「いいよ」
ミネラルウォーターを1本だけ買った。
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