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「まぁ良いわ、どうせ辰巳に拒否権はないもの。さ、お父様とお母様に会いましょうか」
「決定されてんの!?おいっ、待てって!」
フィーネが辰巳の手を引いて走り出し、辰巳の制止の声も聞いてくれない。結局すぐに抵抗を諦めて大人しく付いて行く。
~~~バルコニー~~~
辰巳達が王族達の憩いの場であるバルコニーに着く少し前、そこでは漸く仕事が一段落して休憩に入った国王と王妃が紅茶を飲みながら話していた。
「そういえば、イグリンド家に養子が入ったそうだ」
「黒髪黒眼らしいですね。私はそんな色を見たことがないのですけれど………」
「確かに珍しい色だから無理もない。私も数回しか見たことがないからな」
「会ってみたいですねぇ………」
「そうだなぁ………。しかし旅をさせると言っていたから、会えるのは暫く先になりそうだ」
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