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「まぁ、そうなのですか?それは残念です………」
国王と王妃が辰巳がどのような人物なのか想像していたとき、室内に続く扉が開いて二人の娘が入ってくる。しかも、黒鉄色の髪に黒い瞳を持つ少年を半ば引き摺りながら。
「あら、ちょっと違うけど彼じゃないの?」
「だろうな。しかし、何故引き摺られているんだ?」
「お父様!!お母様!!この方を婚約者にします!!」
「え?」
「は?」
「家柄もイグリンド家ですから問題ありません!!」
「助けてくださ~い!」
「だ、駄目に決まっているだろう!!娘はやらんわぁァァァァア!!」
「良いんじゃなくて?年齢的に相応でしょうし、親の我儘で婚期を逃させるのも忍びないです。許可しましょう」
「ありがとう、お母様!じゃあ紹介しますね。辰巳=イグリンドです」
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