6132人が本棚に入れています
本棚に追加
/872ページ
半竜――というヤツだろうか?
何もかも中途半端な変化。
しかし!
普通の竜――ドラゴンより凶暴性が増している。
――ルアアァァァァァァッ!!
咆哮がこだまする。
背中に二本の裂け目ができ、そこから血が固まったような奇妙な翼が出現した。
――ばさっ。
軽く羽ばたいただけだろう、しかし俺たちは突風を受け、吹き飛ばされそうになった。
「あのさ、ダーリン」
「聞くな。俺は思うぜ。まだ完全な姿のほうがましだと」
そのほうがやりようがあったはずだ。
これも【カナタ】が想像した【シナリオ】なのか?
もしそうなら――最悪の二文字の言葉だけですませられないぜ。
ティアやテオ、ソウはすぐさま避難している。
それが賢明だ。
「ダーリン、どうする?」
「反対に聞くが、ルル。あれ……相手にする勇気、あるか?」
「なし!」
あっさり答えるルル。
中指を上に向け、
「カイリのようにまだ完全な姿のほうがいいわ。あれはまるで怪物。
あれだとその動きは見えても、予測つかない動きをされ――」
最初のコメントを投稿しよう!