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モジモジ・・・モジモジ・・・ モジモジ・・モジモジ・・ もうかれこれ30分になるだろうか・・・。 だって・・だって!!こんなオシャレな美容院なんか来たことないんだ!! 本当は 幼馴染みの石川 源二が一緒に行ってくれるって言ったのに 急用が出来たとドタキャンされてしまった。 『ひどいよ!げんちゃん!!』 悲痛な叫びはマイペースなげんちゃんの これまた のんびりとした口調にサラーと流された。 「泉 大丈夫だよ。高校生になる前にイメチェンするんだろ? 外見だけ変わっても意味ないでしょ? ネクラな泉を捨てるんでしょ? 美容室くらい一人で行けなくてどうするんだよ? ついでに天然記念物並みの人見知りを治しておいでよ。」 それだけ言うとテクテクと急用とやらに出掛けて行った。 サラーと言うほど簡単に人見知りが治ったら こんなに悩んでないだろうよ・・・。 本当に・・。もう嫌だ!こんな性格!! だから中学までイジメにあい つけられたアダ名は 目玉親父。 二重の大きな瞳 男にしては高い声に 貧相な体つき。 自分の顔が大嫌い・・・。小学生の頃 好きな女の子に 「泉君 目が大きすぎて気持ち悪い」 と言われ あまりのショックに人と目を合わせて話すのが怖くなった。 いつの間にか 目を隠すように髪を伸ばした。 どこかオドオドした話し方が気に入らないのかイジメの対象になった。 そんな俺の友達といえば家が隣で一つ年上のげんちゃんのみ。 いつも学校から帰って泣いている俺を慰めてくれた。 時には俺に黙って仕返しに行ってたことを俺は知ってる。 げんちゃんには助けてもらってばかり。 でも中学を卒業し俺は今までの自分を捨てて生まれ変わる事をげんちゃんに宣言した! まずはイメチェンだ!と思い切り げんちゃんの行き付けの美容室を紹介してもらったのだ。
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