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「え…何で?何で聞かないの?佐和子はすんなり帰っちゃったの!?」
「…うん…」
宏樹くんと別れた次の週の土曜日、久しぶりに菜月と居酒屋に来た
「…普通理由ぐらい聞くよねぇ?何で?佐和子が理解できないんだけど…」
菜月は焼き鳥にかじりついた
「…聞けなかったもん…雰囲気で」
今日はお酒もあまり進まない
両手で軽く支えられたグラスは、汗をたくさんかいたままだ
「宏樹くん、どうしちゃったんだろーね…佐和子がすっごい久しぶりに出来た彼女だったらしいよ?…こうちゃんが言ってた」
あたしにも解んない
何であんな辛そうな顔してたんだろう
「あ、こうちゃんに聞いてもらおっか?」
「や、いい!それはいいよっ!」
「…わかった」
菜月は少しだけ腑に落ちない顔を見せたけど、すぐに笑顔でお酒を呑みだした
「佐和子はどうする?新しい彼氏作る?」
「まだ…いいかな」
当分宏樹くんを忘れられそうにない
それに、もしかしたら連絡があるかも…
なんて、淡い期待もあったから
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