第一章

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彼らには、名前というものは存在しなかった。 強いて言うなら「BXー03」などというような、識別番号によって区別されていた。 今回の話では、その、BXー03に焦点を当てて語っていこうと思う。 BXー03は、培養槽から生まれた。 2113年現在、世界は新しい兵器を求めた。 レーザー兵器、巨大精密機械、音波振動による近接武器… 次々と新しく、性能の良い武器、兵器は作られていくも、それを操るのは所詮人間であり、次の段階の課題は「人間としての性能の向上」であった。 BXー03を含むBXシリーズは遺伝子工学の改善から人間としての性能や運用効率が47%引き上げられた人間であった。 この1%というのは非常に大きい。 たとえば、100メートルが10秒である人物が1%改善されると、9秒9になるのだ。 BXー03は、改善を繰り返された強化人間の最新型であり、今後20年は抜く人物は出てこないだろうという見解がなされる人物であった。
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