紫煙

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人生とは暇つぶしだ。それがその若者の人生観のすべてだった。 生来頭がよく、小さい頃から神童と呼ばれ、難なく有名な大学に合格し、将来を約束された彼にとっては、退屈な時間をいかに刺激あるものに変えることができるかという一点だけが人生の目的であった。 そうは言っても、現実に刺激的な出来事などすぐに見つかるはずもなく、彼は今日も行きつけのバーへ飲みに来ていた。
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