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この一年、スタッフのみんなは俺の前でほとんど神田さんの話をすることはなかった。
そういう気を遣ってくれていることは分かっていたのだが、なにか俺に対してのタブーのような感じもして、こちらとしてもそんなに……
というような、少しもどかしい部分もあった。
そんな少し変な空気の中、一樹が無邪気に声を上げる。
「ねぇ、毎年、この花火の日はお姉ちゃんの記念日にしようよ!」
「おぉ……良いこと言うじゃねーか、カズキ」
「せやなぁ、毎年ココに集まって、花火見て……」
「神ちゃん、思い出しながらなぁ……」
「うんうん…………」
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