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狂った住民
雲鈍山村というのが僕がこれからお世話になる土地の名前らしい。
電車を降りてかれこれ4時間といったとろこだろうか、日も傾きそろそろ本格的に身の危険を感じている。
手書きの地図にどこまでの要求が許されるのか分からないけれど、せめて高度差くらい書いてくれても良かったのではないだろうか。
もうじき文字通り雲に手が届きそうだ。
こんな山の頂上付近に、はたして本当に村などあるのだろうか。
なければ困るのだけど、あったらあったでそれも困る。
一体、先住民はどうやって生活を送っているのだろうか。
コンビニは? レンタルビデオ屋は? 食べ物は?
様々な疑問を頭に浮かべながら、それでも両手両足は前へ、いや、上へ上へと勇み行く。
こんなことなら普段から運動というものをやっておくべきだった。
まあ、今更嘆いても後の祭りなのだけど。
そういえば、実家に残してきたミーちゃんは元気だろうか。
幼馴染の健坊は結婚したんだっけかな。
小学生の頃は楽しかったなぁ。
プールとか運動会とか百人一首大会なんてのもやったなぁ。
………あれ?
……なんか目眩が………あれ……?
うっそ…
なんか苦しい…
足がぴくぴくピクミン…
もう…だめ…ぽ…
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