プロローグ

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彼女、神崎天音(かんざきあまね)はとにかく朝からツいていなかった。 様々な出来事が“最悪”に変わりはなかったが、一番最悪なのは、体調が優れないことである。 女子に月1で訪れる苦しみ。抗えない宿命。キリキリと迫る痛みに至る所の調子が悪くなる。 只今彼女が居るのは電車の車内であり、ここはすし詰め状態だ。 前も、後ろも、左右、人だらけ。天音のその内の一人である。 ぎゅうぎゅうであるこの場所から早く抜け出したい所だが、彼女が降りる駅は終点だ。 あと15分は耐えなければならない。 40分の長旅を経てやっと、残り二駅になった。 その駅で鮮やかな白色の髪をした少年が乗り込んだ。
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