MISSION 5 ― デザインを回収せよ ―

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「それで、回収したい物は何なんですか?」  早朝の公園で、未央は犬の散歩に来ていた女性に訊いた。  途端に、相手の女性は目を丸くした。 「あなたが回収屋さんなの?」 「ええ、そうです」 「驚いたわね。もう少し……そう、二十代前半くらいの男の人だと思ってたわ」  驚いた――  それは正直な気持ちだろう。  実際、未央自身も自分が依頼する方なら、そんな風に想像したに違いなかった。  けれど、若くて女だから頼りないとは思われたくは無い。  だから依頼人と話す時は言葉遣いには目いっぱい気を付けて、知っている限りの難しい言葉で話すようにしていた。 「そう言われる事は多々あります。それは、致し方の無い事だとも思っています」  大人びた未央の口調に、女性は少し微笑んだ。 「信用していいのかしら?」 「それはあなたの判断にお任せします。けれど、今まで受けた仕事に失敗はありません」  女性は片手を頬にあてて、足下に大人しく座っている愛犬へ視線を落とした。
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