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「なぁ……なんちゅうとこで寛いでんねや?」
「窓際」
高い。
高い。
図書室の窓枠。
ステンドグラスまで嵌め込まれた凝ったもの。
そこの一番上の窓を開けて腰掛けていた。
「それは窓際やのうて窓枠や」
「そうかな?」
「……もうええ。とりあえず降りてこい」
「ん?どうかした?」
「侵入者や」
「……珍しいね」
朔(サク)は軽く飛び降り、フェンリーの傍らに立つ。
「この間セキュリティチェックかけたばっかりだったのに」
「……しかも女みたいやで?」
「男尊女卑?」
「ちゃうけど、身体能力考えたら男の方が易いやろう?」
「否定はしないけどね」
軽い調子で朔はのびをする。
「どうせ……相手は僕でしょう?」
「恭兄の可能性もあるわな」
「笑えないな」
取り急ぎ侵入者を捕獲しなければ。
面倒だなぁと朔は欠伸を噛み殺した。
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