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「想像以上だな」
「ああ……やはり美しいだけではないわけか」
「厄介な」
「早い内に離れてもらおう」
「さもなくば」
「死あるのみ」
僅か十五の少女が持つ貫禄ではなかった。
むしろ同じ年頃で嫁いですぐに飛高の妻として奥向きのこと一切を取り仕切った春香のようなカリスマ性すら感じる。
朔の傍には置いておきたくない姫だ。
「急がねばならぬ」
「ああ。朔様が御存命の間に」
「絶対に我らの姫の中から据えねばならぬ。そのためには手段を選んでいられない」
「絶対に」
「……絶対だ」
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