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「それでも苦言を呈するようだけど、貴女はこれからいくらでも変容しうるわ。自分で自分の伸びしろを決めつけはらんといてね？」
「……はい」
神妙に頷く芙蓉に春香は微笑む。
そうして芙蓉の手元に視線をずらすとまた笑みを深くした。
「良く似合ってはる」
「え……あ……」
視線の先に気付いた芙蓉は頬を赤らめる。
「ありがとうございます」
「ふふ……我が息子ながらこういうセンスの良さは感心するわ。こんなことは器用にこなすくせにどうしてもっと器用に生きられへんのやろうか？」
「……答えは持たないので聞かないで下さい」
向けられた矛先に朔は苦笑を噛み締めた。
「さあ朔、これからだぞ？」
飛高は言う。
「はい」
「警護は万全に配せ」
「はい」
「綾乃様より幸継をそなたの傍にと」
「ユキを借り出すのはかわいそうです……僕は人使い荒いですから」
「綾乃様たっての申し出だ」
否とは言わさないと言うことか。
朔は諦め、頷く。
「はい」
「水城と千鶴は芙蓉に。飛沫は怜に貸してくれ」
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